○熊野市丸山千枚田条例

平成17年11月1日

条例第109号

わたくしたちが誇りにしている地域資源に丸山千枚田がある。千枚田は、祖先から受け継いだ貴重な稲作文化で全国的に稀であり、存在が注目されている。

しかし、千枚田における農作業は、地形上、機械による省力化に限界があり、加えて農業環境の変化もあり、休耕地と荒廃地がみられる。

このような状況の中、この貴重な資源を保護し後世に継承していくことは極めて重要で、併せて有効に活用していくことが、わたくしたちに課せられた責務である。千枚田は、幾百年もの昔、一くわずつ大地を起こし、石を積み上げ、土をあてがいながら営々と2,400余枚を造成し、以来、今日まで休むことなく天水を貯え、芝を刈りこんで耕作し、管理してきたのである。

また、ここに住む人たちは、裾野を埋めつくす雲海に朝の英気を養い、暮れなずむ連山の空を赤く染める落日に心を癒しながら、正に、千枚田とともに生き続けてきたのである。歴史は巡り、時は流れたとはいえ諸々の日本農耕文化の原点を内包しているのが千枚田である。

わたくしたちは、ここに先人の英知と偉業を偲びこれを称えるとともに、千枚田に親しみ、愛しつつその保護に一層努力することを宣言し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、千枚田が美しく豊かな水田景観を形成し、かつ、貴重な稲作文化資産であることにかんがみ、市、市民等が一体となってその景観の保護に努めるとともに、生産の場としての有効な活用を図ることにより、ふるさとづくりに資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「千枚田」とは、傾斜地に団地をなし、連綿として構築された千枚を超える棚田をいう。

(市の責務)

第3条 市は、千枚田の保護及び活用を図るため必要な施策を推進しなければならない。

2 市は、千枚田の保護と活用について、滞在者及び旅行者の理解と協力を得られるよう努めるものとする。

(市民の責務)

第4条 市民は、千枚田の保護及び活用を図るため、市の施策に協力しなければならない。

(所有者等の責務)

第5条 千枚田の所有者及び耕作者(以下「所有者等」という。)は、千枚田が貴重な資産であることを認識し、自ら進んで千枚田の保護及び活用に努めるとともに、市の施策に協力しなければならない。

(保護区域の指定)

第6条 市長は、千枚田の状況を総合的に勘案し、保護する必要があると認めた区域(以下「保護区域」という。)を指定することができる。

2 保護区域の指定は、あらかじめ保護区域内の千枚田の所有者等及び市議会の意見を聴いて行うものとする。

3 市長は、保護区域を指定しようとするときは、その旨を告示し、所有者等に通知しなければならない。

4 前2項の規定は、保護区域を変更する場合について準用する。

(保護区域内における行為の届出等)

第7条 保護区域内の所有者等が、次に掲げる行為をしようとするときは、あらかじめ市長にその旨届け出なければならない。

(1) 所有権の移転

(2) 耕作内容の変更

(3) 耕作道を含む道路の新設及び改良

(4) その他工作物の設置

2 市長は、前項の規定による届出があった場合において、必要があると認めるときは当該届出をした所有者等に対して必要な助言、指導又は勧告をすることができる。

(助成)

第8条 市は、千枚田の保護及び活用を図るため、保護区域内の所有者等に対し、予算の範囲内において助成をすることができる。

(財源措置)

第9条 市は、この条例を施行するために必要な財源措置を講ずるものとする。

(委任)

第10条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成17年11月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の紀和町丸山千枚田条例(平成6年紀和町条例第1号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

熊野市丸山千枚田条例

平成17年11月1日 条例第109号

(平成17年11月1日施行)